リチャード・リップマンPh.D.

 

「古代人は100年以上生きたが、生涯を通して活動的であった」

ネイ・シン・スー・ウエン(皇帝内科医、紀元前2600年)

 

老化防止薬を使わなくても、沖縄、サルデーニャ(イタリア)、イカリア(ギリシャ)、マウイ(ハワイ)などの島々には、90歳を超えても健康に暮らしている人が多く見られます。

これら4島には、島民が健康に長生きできる秘密がたくさんあります。携帯電話によるストレスとは無縁ですし、車を運転する代わりに長い距離を歩き、ジャンクフードやトランス脂肪酸を含むフライドポテトの代わりに、自分で育てて調理したパレオダイエット(旧石器時代のような食事法)を食べ、テレビやコンピュータの代わりに一日の終わりを友人と過ごすという、島の生活のすべてが、心血管の健康、幸福感、長命に繋がるものです。

私たちはこういった島々の文化から学び、彼らの概念を自身のライフスタイルに適応させるべきでしょう。

 

イカリア(ギリシャ)

イカリア島の生活は、恐らく地球上で最も健康的だと言えるでしょう。かつて古代ギリシャ人は、消化不良や胃潰瘍のための特別な木皮や温泉を求めてイカリア島へやってきました。今日でもイカリア島民は、裏庭で収穫されたブドウから搾ったワインや、自分達で育てた食物を隣人と分け合いながら、夜が更けるまで友人と幸せな時間を過ごしています。朝は遅くまで眠り、出来たてのパン、蜂蜜、レンズ豆、ヤギのミルク、魚、オリーブ油、ハーブ(ハナハッカ、セージ、ミントティー、ローズマリー、タンポポの葉)、生もしくはさっと湯がいた取れたての野菜といった、典型的な地中海料理を食べます。

90歳まで生きる男性は、北アメリカの4倍にも達しますが、癌やアルツハイマー病の発病率は著しく低く、食後に毎晩ダンスやカードを楽しむ90代は珍しくありません。

ニューヨークタイムズのジャーナリストであるダン・ビュイトナーが、イカリア島に住む結婚して75年になる90代の夫婦を訪ねたところ、見知らぬ訪問者の名前を尋ねることもなく、ミントティーや手作りのクッキーで歓迎し、彼らの日課について語ってくれました。夫婦は毎朝自然に目が覚めるまで寝て、庭で働き、遅い昼食後に仮眠を取り、夕暮れは友人を訪ねたり招いたりして過ごします。典型的な食事は、ヤギのミルク、セージ、お茶、蜂蜜、コーヒー、パン、ワインなどです。

夫婦ともに身長が150cm未満ですが、この事実だけ取っても長命にとって重要だと言えます。老年学研究グループ(UCLA、ロサンゼルス、カリフォルニア)によると、百歳以上の人のほとんどが150cm未満の女性だということです。

 

沖縄

沖縄のライフスタイルもイカリア島に似ています。茹でた野菜、魚、雑穀を腹八分食べる島民のカロリー摂取量は、北アメリカ人に比べて40%も低く、食後はお茶を飲みながら夜遅くまで友人と語り合っています。

沖縄人の健康と長命については、イカリア島より詳しく研究されています。長寿世界記録を持っているのは沖縄人女性です。沖縄人女性のほとんどが90歳まで生きますが、百歳を超えている人でも、何らかの仕事を続けています。

百歳を超える沖縄人女性は、70歳のアメリカ人女性よりもエストラジオール(エスナトリクリームが3倍も多いことが、血液検査で判明しています。男性の場合も、甲状腺ホルモン(サイロイドエルファ)、(オキシトシン、テストステロン、成長ホルモンといった重要なホルモンが、中年のアメリカ人男性よりもかなり高いことがわかっています。オキシトシンやバソプレシンが男女の性欲を強化することから、研究者は沖縄人は高齢になっても豊かな性生活を送っていると考えています。

また、百歳の沖縄人の脂質過酸化物レベルは70歳の北アメリカ人の約半分ですが、ACF228を毎日服用することでも、脂質過酸化物レベルを低く保つことができます。

 

サルデーニャ(イタリア)

世界最高齢の女性は沖縄に住んでいますが、サルデーニャは百歳以上の男性が世界で最も多く住んでる島です。口ひげを生やして帽子を被り、痩せて身長が低く、山中で羊を飼い、狩に出かけ、ダンテを暗唱し、アントシアニンが豊富に含まれる特別なワインを飲んでいるサルデーニャ島の男性は、非常に長生きです。

サルデーニャ人は、豊富なハーブ、新鮮な羊のミルク、ナッツ、種、ソラマメ、アーティチョーク、小麦麦芽、ハーブティーといった、地中海特有の食事を食べますが、中でもカレープラント(キク科の多年草)と呼ばれるハーブは、血圧を調節し、多くの病気を治療すると考えられています。こういった健康的な食事によって、老化を予防するグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH)が活性化されます。

 

ハワイ諸島

大都会や工業地帯の汚染環境と切り離されていることを考えると、島民が長生きするのは当然のことでしょう。ハワイ諸島に住む人々も、アメリカ本土の人より長生きです。ニューヨークのような大都会と違って、島の生活はのんびりしています。島の人々は新鮮で汚染されていない魚を本土に住む人の3倍消費しますし、自分達で育てた野菜をイカリア島民同様、ほとんど生で食べます。アメリカ本土、ヨーロッパ、日本といった国々から輸入しない限り、彼らが口にする水や食物には、工業汚染の心配がありません。

数年前ハワイのカフェで偶然知り合った環境保護局の検査官に、ハワイの水道水の純度がどうしてペリエやペルグリーノといったヨーロッパの高級ミネラルウォーターに匹敵するか訊ねたところ、ハワイの水道水の純度はヨーロッパのミネラルウォーターより高いという答が返ってきました。私は常に、離島の純粋な水や空気、および汚染のない環境で収穫される食物が、島民の健康と長命に重要な役割を果たしていると考えてきました。

 

長寿のための第2の選択肢‐サプリメント

90歳以降も精力的な人生を送りたい人は、マウイ、沖縄、サルデーニャ、イカリアといった島々に移住するか、あるいは活性炭フィルターで水道水を浄化したり、水銀や鉛などの重金属に結合して体外に排出させるEDTAプロDMSAプロACF228といったキレート化剤を服用するなどして、私たちの生活環境を島の生活にできるだけ近づける必要があります。

車やエアコンの空気浄化フィルターを定期的に交換したり、室内の微粒子汚染を防ぐために毎日掃除機をかけることも有効ですし、更なるステップとして、毎日の食事にACF228といった総合ビタミン剤やミネラルサプリメントを使うことをお勧めします。

一番いいのは、老化防止医療の知識がある医者の下で、あなた自身のホルモンバランスを整え、栄養不足を補うプログラムを実行することです。

 

ホルモン補充の過去と現在

プロゲステロンやエストラジオールといった重要なホルモンが、平均して41歳頃から始まる更年期障害を緩和することが発見されるなど、約30年前にアメリカでホルモン革命が起きましたが、その後2002年に合成プロゲステロンが受容部位の天然プロゲステロンをブロックして脳卒中や癌の発病率を高めることが証明されたため、現在では。安価な天然バイオアイデンティカル・プロゲステロンが(プロゲスト・プロ)が代わりに使われるようになりました。

残念ながらアメリカの男性は、1941年にハーバード大学のチャールズ・ハギンズ博士が発表した、テストステロンが癌を誘発するという間違った論文を医学会全体が妄信したため、ホルモン補充革命から取り残されてしまいました。ハギンズ博士がたった1人の患者に施した試験の結果、テストステロンが癌細胞成長を活性させると断言したために、2010年に同じくハーバード大学のエイブ・モーゲンテイラー教授がテストステロンに関する著書を発表するまで、この誤りが払拭されることはなかったのです。

さらに友人エイブとのインタビューでは、彼が癌患者をも含めた何千人もの男性患者に20年以上テストステロン補充療法を施してきたにもかかわらず、癌への影響はいっさいなかったことを知らされました。

ヒト成長ホルモン(HGH)にも癌を誘発する疑いがかけられていましたが、これが誤りであることが証明されたことから、ストックホルム(スウェーデン)のジェネンテックでは、1983年以降、組み換え型HGHが利用可能になりました。

こういった癌に対する偏見には、十分な注意が必要でしょう。

 

ホルモンサプリメントの歴史

古代ローマ

大変興味深いことに、ホルモンサプリメントには二千年以上もの歴史があります。古代ローマでは、裕福な女性が性欲を高めるために剣闘士の汗を購入したという記述が残っています。

汗をかいた剣闘士の体に塗られたオリーブオイルを木のへらで拭い取った天然ホルモン混合物は、装飾を施した容器に入れられ、高値で売られていました。

これは、現代の女性が5%のテストステロンジェルの1~2mgを陰唇に適用して性欲を高めることに通じるものがあります。

 

古代中国

古代中国の皇帝や女王も、ホルモンサプリメントを使っていました。信頼できる史料によると、西暦1015~1840年頃の北京では、宮廷内の若い男女の排尿場所を分け、薬剤師によってそれぞれの尿から2種類のローションが作られていました。これらはローマの剣闘士の汗と同様、高価な容器に入れられ、王族が性欲強化のために使用していました。

 

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