リチャード・リップマンDR

老化の根源1老化の根源2では、20代半ばに始まる修理メカニズムの衰えによって潜在的な寿命が決定されることに触れましたが、ここでは、人間の最大寿命について説明したいと思います。

私はよく、老化に関する問題の多くを回避することで、どれくらい長生きできるかという質問を受けます。カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)のジェロントロジー(老年学)研究グループは、統計的に見た人間の最大寿命を115歳としています。中には122歳まで生きる人もいるでしょうが、こういった稀なケースは統計には含めません。

最大寿命が115歳に決定された理由について、疑問に思う人もいるでしょうが、実際に100歳以上の高齢者の半数以上が113歳から115歳の間に亡くなっていることが、研究者によって特定されています。神の手であれ、未知の生物学的な力であれ、私たちの多くは115歳までに人生を全うするようにプログラムされているようです。

 

115歳に到達する方法

90歳や100歳まで生きるためには、強い副腎と甲状腺が必要です。

老化に関する研究を通して1978年以降、主要な科学雑誌に論文を発表し続けている私は、幸運にも、比較的健康に老年に達する可能性を高める方法を理解していますが、その前に、アンチエイジングの介在なしに年をとることで、私たちの身に何が降りかかるか説明したいと思います。

まず、健康で長生きできる最大の見込みは、生まれた時に与えられる遺伝学的カードに依存しています。つまり、90代まで生きた4人の祖父母から、長寿に不可欠な遺伝子を提供してもらうことです。次に、自分自身や直近の身内が下記項目に該当するようであれば、長寿の遺伝子を継承していると言えるでしょう。

  • 50歳に達した時点で関節炎、肥満、高血圧、糖尿病、記憶喪失を患っておらず、主要動脈にプラークや閉塞がほとんど見られない。恐らくホルモンやペプチド(特にHGHおよびインスリン様成長因子1)の衰えから、50歳の半数に認知力の低下、動脈プラーク、脊柱の湾曲が見られることに注意。
  • 60歳に達した時点で手術の経験がない、またその必要がない、多くの薬剤を消費していない、肌に張りがある、動脈閉塞がない。
  • 70歳に達した時点で、腕を使わず、あるいは人の手を借りずに肘掛け椅子から身を起こせる。これができない場合は、恐らくDHEAといった食事タンパク質、テストステロン、HGH、インスリン様成長因子1、女性に限ってはエストロゲン、プロゲステロンが不足していることから、筋肉消耗賞(サルコペニア)を患っていると考えられる。これを治療せずにいると、歩行障害に帰着する恐れがある。
  • 80歳になった時点で侵襲性の強い癌が見られない。ビタミンD3、プロゲステロン、アブラナ科の野菜(I3C ロンゲビティ・プロ)が不足することで、癌が発生するリスクが高まるのではないかと考えられるが、侵襲性の強い癌(良性の前立腺癌は含まない)にかかるリスクは80歳を過ぎるとおよそ3分の2減少する。
  • 80歳から85歳にかけて、アルツハイマー病、パーキンソン病、ルー・ゲーリッグ病(ALS)といった神経疾患を患っていない。85歳のスウェーデン人がアルツハイマー病を患っている率が30%であるのに対して、アメリカ人の場合は既に80歳で45%に達している。こういった疾患は、含硫アミノ酸(ACF228)、HGH(セルモレリン)、IGF-1、テストステロンといった本質的な修理ホルモンやペプチドの不足に起因する可能性がある。これらの欠如は、運動技能の低下、言語能力の不足、記憶喪失、思考緩除によって証明される。
  • 90歳から100歳に達しても今まで通りに考えられる、歩ける、見聞きができる。代謝促進甲状腺ホルモン、副腎ホルモン(DHEA、ヒドロコルチゾン)、本質的なメンテナンスホルモン(HGH、セルモレリン、GHRP-6)、ペプチド(インスリン様成長因子1、バソプレシン)オキシトシンが足りていることから、昼夜を通して体温を保てる。

 

100歳以上の人は皆身長が低く、その多くが女性ですが、ほぼ全員にトランスサイレチン(TTR)アミロイドーシスのあることが検死の結果確認されています(アミロイドと呼ばれる特殊な繊維状のタンパク質が臓器に沈着することでさまざまな機能障害を起こす病気の総称)。悪化の原因については解明されていませんが、ジスルフィド結合(R1-S-S-R2)によって保たれているニューロンの三次元構造が酸化やフリーラジカルの攻撃によって壊れることから、恐らく酸化現象によるものであると考えられます。

脳における酸化とアミロイド沈着を防ぐために、病気の徴候と症状を識別するハルトゲ博士によるメソッドを推奨している私の観察では、100歳以上のほぼ全員の副腎と甲状腺が機能的に働いています。言い換えると、100歳まで生きられない人は、潜在性の副腎皮質機能低下症や甲状腺機能低下症を患っている場合が多いということです。ハルトゲ博士は、甲状腺疾患によって死亡率が約43%も増加すると述べています。また、ヒドロコルチゾンや重要な副腎ホルモンが失われると、48時間以内に死亡してしまいます。つまり、副腎や甲状腺が強くないと、90歳や100歳まで生きられないのです。

 

老化を防ぐ新しいアプローチ

「悲観論者が新しい星を発見したり、未知の土地へ航海したり、精神世界の新しい扉を開いたことは、いまだかつてありません」‐ヘレン・ケラー‐

上記のリストを見れば、特に身長が高く、自分自身や親類が癌、高血圧症、動脈閉塞、糖尿病、ホルモン欠乏症、記憶喪失などを患った経験があれば、老化現象への医学的介入が必要である道理が分かるでしょう。また、65歳で平均して9~20種類といった量の処方薬を毎日服用しているようであれば、老化に関する別のアプローチを試みるべきでしょう。

10年毎に2倍という科学の進歩は目覚しく、あと数十年も経てば、私たちの運命や日常生活が科学によって決定される日が来るかもしれません。現在でも、バイオテクノロジーや、HGH、オキシトシン、バソプレシン、聴覚を改善するアルドステロン、視力を改善するCan-C点眼薬、インスリン様成長因子1といったDNA組み換え製品のおかげで、理想的な身体が作られ、寿命が延長されつつあります。

しかしながら、このように老化を遅らせ、若々しい身体を維持する方法があるにも関わらず、見識の狭い人によって真っ向から否定されることがあります。例えば1969年に渦巻管(内耳)移植を考案したウィリアムFハウス博士は、医者や科学者から27年間も容赦のない批判を受け続けました。中には捏造呼ばわりする人もいましたし、聴覚障害者の尊厳を傷つけるものだと主張する人もいました。

こういった老化現象を遅延・逆転させる方法を考案した、抗加齢医療に携わる著名な科学者たちは、世間はおろか多くの医師にさえ知られていませんが、私は彼らを個人的に知っています。

例えば去年の12月、私はインタビューを通してハーバード大学医学部のエイブラハム・モーゲンテイラー教授と親しくなりましたが、教授は私に、テストステロン療法が前立腺癌を患っている人も含めたテストロンレベルの低い高齢者すべてに有効なことを明言しました。教授の革命的な考え方は、医学界における従来の考えとは反するものですが、老化防止を探求する私たちの道しるべとなるに違いありませんし、テストロン療法に関する著書はハーバード大学の教職員に支持されています。

アメリカでは、この本が突破口となって著しい医学の進歩が確立され、かつ硬直化された医学界からの苦情や反発、あるいは先端医療への度重なる拒絶が収まり、テストステロン治療が主流になり始めました。実際に1年半後には、高齢男性のためのテストステロン矯正薬の広告がTVで見られるほど、広く世間に受け入れられるようになりました。

私は心からモーゲンテイラー教授の研究とその結果を支援します。そして、教授によって確認された老化の徴候の多くを防止するために、健康を増強する、低価格で有効な、ロンゲビティ・プロビゴー・プロといった製品をお勧めします。

 

抗加齢医学の診療を通して私が学んだこと

革命は近づきつつあります。薬剤師であるフィル・ミカンズは、この革命は1859年に出版されたチャールス・ダーウィンの「種の起源」から始まった革命に等しいと言います。この新しい革命は武装反乱ではなく、ハーバード大学のモーゲンテイラー教授のような、尊敬される医療専門家による、抗加齢医学における最新知識を適用したものです。

ベルギーにも、チエリー・ハルトゲ博士というホルモン療法の専門家がおられます。第4世代の内分泌科医であり、アンチエイジング界のリーダーでもあるハルトゲ博士は、ほとんどの内科医に知られていない多くの技術を私に教えてくれました。その中でも、血液検査や尿検査を行わずにホルモン不足と栄養不足の徴候・症状を識別する特殊能力によって、担当医に適切に診断してもらえなかった多くの患者を救うことができました。

博士は、百歳以上のホルモン欠乏症の識別を可能にした観察ツールも授けてくれましたが、自身の研究から、100歳を超えて長生きできるのは、十分な甲状腺ホルモンや副腎ホルモンのおかげであるという結論を得たことで、私は今、高齢者や若い人のホルモン不足や栄養不足を見極め、これを治療することができます。

例えば私は、代謝の衰えや副腎ホルモン(アルドステロン)不足がカラスの足跡(目じりのしわ)の原因であることを知っていますので、CoQ10と併用してアルドステロンを経口服用するか、患部に塗り込むことを推奨しています。

老化によって身体が受けた被害を一新するために、ハルトゲ博士が教えてくれた最も重要な治療は、本質的な修理ホルモンとペプチドの修正によって全身を修理することです。

 

本質的なホルモン、ペプチド、栄養素の組み合わせによる全身の修理

私自身も毎日1日に2度服用していますが、HGHとインスリン様成長因子1を組み合わせた「カクテル」によって、過度に食べ物を規制したり運動したりせずとも、細くて若い、運動能力を保った身体と脳を簡単に維持することができます。

5年に及ぶCan-C点眼薬使用の後に、上記の「カクテル」を2年間服用したことで、私の視力は1.0にまで回復しましたし、聴力損失には、アルドステロンとフルドロコルチゾンを4年間1日に2回服用した後に、「カクテル」を2年間服用しました。この「カクテル」は、視力、聴力、筋力など、全身の衰えを改善してくれます。現在70歳近い私ですが、坂道も駆け上がれますし、運転時の反応速度は若い人に匹敵します。ルームランナーを使って10分間ランニングした後に5分休憩してから血圧を測ったところ、128/60mmHgという、健康で若い人のような数値が出ました。

HGHとインスリン様成長因子1の他に、老化によるホルモン不足や栄養を不足を補うために、ACF228を併用されることを皆様にお勧めします。

 

結論

抗加齢医学分野における革命はすぐそこまで近づきつつありますが、老化を遅らせて若く幸福に長生きするための科学的方法を開示している、知識が豊富な開業医はまだ多いとは言えません。

 

その他

ジャンヌ・ルイーズ・クレマンというフランス人女性が122歳まで生きたことが記録に残っていますが、彼女はフランス南部で暮らしていた少女時代に、有名な画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホに美術材料を売ったことがあるそうです。

1957年までアジソン病(潜在性・進行性副腎皮質機能低下症)に関して適切な診断および治療を受けていなかったジョン・F・ケネディ上院議員は、1950年代初頭にカトリック聖職者から臨終の秘跡を3回も受けましたが、適切な治療によって、1960年には大統領選に立候補するほど健康を取り戻しています。

 

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