薬学士、修士、フィリップ・ミカンズ著

 

最近、私の友人であり同僚でもあるT博士は、ホルモン補充療法(HRT)で老化を遅らせることは期待できないと言いました。T博士自身と彼の男性患者らは、テストステロン補充療法を始めました。しかし、即座の効果や、活力や精力の変化が無く、T博士はがっかりしたようでしたが、その後の会話の中で、脳の研究や脳の栄養素が、ホルモン補充療法より10倍重要であると言いました。

彼は、新しい脳研究についていくつかの特定の事実を教えてくれました。ピュア•ゲノミクスの遺伝子検査によると、50歳以上で精神的な変化を経験した人は、しばしばビタミンB12(メチルコバラミン)と葉酸(メチル葉酸)欠乏の遺伝子を持っているということです。これらの欠乏の補正は、ホルモン補充療法よりはるかに重要です。“精神的な変化”とは、50歳以上の人がしばしば遭遇する短期的な物忘れやど忘れを指します。

私は、T博士の話を丹念に聞き、 B12、コバラミンおよび記憶に関する新しい遺伝子の研究には興味をそそられました。私は、記憶の喪失を逆行させるための医薬品、サプリメントとして、バソプレッシン、ビタミンD3、ディプレニル、ペプチドバイオレギュレーターCerluten®、そしてピラセタムを推奨すると述べ、特に、ビタミンD3とバソプレッシンを推奨しました。というのはこの二つで私自身のど忘れの問題が治ったからです。

 

ホルモン補充療法に公平な裁判を

さらに、私はT博士がホルモン補充療法に公平なチャンスを与えていなかったことを示唆しました。彼の多忙な診療において、彼は常に、1960年代からFDAが推奨しているように、一つの病気は、一つの、そして唯一の治療法で対処されるべきだと考えていました。それ故に、男性の老化プロセスがなぜ一つの、まさに唯一のホルモン、テストステロンで治す事ができないのか!と考え、補充療法の結果が理解できなかったのです。

私は、FDAが単一の治療法を要求するのは、そうすることによって規制上の負担を簡略化する事ができるからだと説明しました。残念ながら、母なる自然は文字通りには作動しません。自然は、複数のホルモンが老化を制御するように指令しており、そのため、老化を送らせたり逆行させたりするには複数のホルモンが必要なのです。私の考えでは、単一のホルモン治療という概念では効果がなく、かえって悪化させる可能性があります。

興味深いことに、1960年代以前には、医者はこうした間違った概念には捉われていませんでした。例えば、1956年の“メルック便覧”の469ページには、4つの主要ホルモンのサプリと食生活の改善が下垂体機能低下症(下垂体が弱いと成長が阻害される)を緩和するために必要だと記載されています。これらの4つのホルモンサプリは、サイロイド(ERFA®/Nature®)、テストステロン、ヒドロコルチゾン(Hydrocort-ProTM)およびエストロゲン(EsnatriTM)です。また、覚えておいて欲しいのは、これはほぼ60年前のことで、FDAが官僚的な課題を押し付ける以前で、医者が複数のホルモン療法を日常的に推奨していた頃の話です。1960年以降では、FDAの干渉の結果、メルック便覧にはこれら4つのホルモン療法は記載されていません。

一般的に、医者は健康でバランスの取れた複数のホルモンが神経細胞の枝分かれや柔軟性を促し、炎症を鎮め変性を遅らせることを知っています。また、ホルモンは移行することによって細胞や組織の修復に重要な役割を果たします。ですから、複数のホルモン補充療法を行う利益は大きいのです。

 

整形手術の代わりにバランスの良い複数のホルモン補正療法を

話題を現在に進めます。ティエリー•ヘルトーゲ博士は、老化に勝つためには複数のホルモン療法が必要であると断言しています。ホルモンのバランスをとることが重要で、決して単一の療法に頼るべきではないと言っています。彼は私に、単一のホルモンだけを使うと状況を悪化させる事がよくあると繰り返し述べています。

一方、もしホルモンのバランスが取れていない場合、単独のホルモンの大量摂取は、受容体の抵抗性や脳とホルモン分泌腺の伝達不足などといった多くの問題をしばしばもたらします。そこで、ホルモンのバランスがなぜ崩れているかという根本的な原因に対処することが大切になりますが、実はこの問題は高炭水化物ダイエットによって引き起こされる高血糖による事が多いのです。

第二に、ヘルトーゲ博士は、エストリオール(E3)や天然のプロゲステロンのバランスが崩れた状態でそれが補正されないままエストラジオール(E2)のみを女性に投与すると、癌の危険率が上がる可能性を指摘しています。あるいは、テストステロン補充療法の場合にも、医者はE2を測り、テストステロンが効率よく作用できるように、甲状腺とコルチゾール(ヒドロドロコルチゾン)ホルモンのレベルが十分であるかどうか調べる必要があると強調します。

これらの複数のホルモンは、 細胞間に蓄積し、 排除されない老廃物を十分な代謝活動によって燃焼させるため、特に甲状腺をサポートします。私は、この過程を“ゴミ焼却”と呼んでいます。というのは、甲状腺サプリは、確かにゴミ、つまり細胞間に蓄積するねばねばした細胞老廃物を燃やしてくれるからです(2)。細胞老廃物の蓄積の目に見える例としては、十分な量のホルモン、特に甲状腺ホルモンが足りていない人の顎の線のたるみ(粘液水腫)として見る事ができます。歴史的には、男性は、髭を伸ばして顎の線のたるみを隠していました。残念ながら、今日では、男性も女性もしばしば整形手術によって蓄積した細胞老廃物を取り除いています。

整形手術によって細胞の老廃物を取り除くのと複数のホルモン療法で是正するのとどちらが理にかなっているのでしょう。現代の医療関係者は、細胞のゴミという根本的な問題を解決するのではなく、症状を緩和することの方に興味を示すことが多すぎます。

第三の例として、ヘルトーゲ博士は、HGH(ヒト成長ホルモン)のみの摂取は50歳以上に人ではあまりよく作用しないと言います。代わりに、彼はHGHとその上流のホルモンプロモーターであるIGF-1と組み合わせることを強く勧めています。従来の内分泌専門医でさえ、大規模な年次総会で2013年6月から同じことを言うようになりました。

私がFDAの官僚的な課題にもそれに適した時間と場所はあると信じていることを理解してください。聖書にも“皇帝のものは皇帝に、神のものは神に”と書かれています。それゆえ、老化と低下するホルモンの問題に真剣に向き合うのであれば、政府のアジェンダなど無視して、一つのホルモンではなく複数のホルモンを補正しバランスをとるべきです。他のビタミン剤や栄養剤のサプリについても同様なことが言えます。これらも十分な量でバランスが取れている事が必要です。

結論として、私の親しい同僚であるT博士は、複数のホルモン補充療法を実際に試運転して、老化と老化の関与する病気にもたらす利益を自ら確かめるべきなのです。ここで、“試運転”と言うのは、老化の徴候や症状のある典型的な患者には、おそらく少なくとも5から10のホルモンと栄養素が不足しており、それらを補正する必要があることを意味します。

平均的な65歳の人は、 診断されているか診断されていないかにかかわらず、平均5つの主要疾患を抱えており、最大20種類の薬剤を必要とすることを忘れないでください。

 

食生活の変更と複数のビタミンと栄養素

複数のホルモン療法に併せて、1956年のメルック便覧は、食生活の変更も勧めています。有益な食事の変更とは、ホルモンがより最適に働くように炭水化物を避け、ビタミンD3のような栄養素を摂ることです。以下に、複数のビタミンと栄養素で成功した私の例を紹介します。

 

栄養素がホルモンを支援し、そしてそれが人生を変えます

コロラド大学の科学者は、ビタミンCが運動と同様の利益をもたらすと最近公表しました。主任研究員のケイトリン•ダウ博士が、名声あるアメリカ生理学会の年会でそのことを発表しました。ダウ博士と4人の同僚は、コロラドのボルダーにあるコロラド大学のキャンパスでこの重要な発見をしました。

研究者は、体を動かさない生活をしている平均年齢58歳、平均BMI(ボディマス指数)31のボランティア20人を2つのグループに分けました。第一のグループは、3ヶ月の歩行トレーニングを行い、毎週5−7回の早歩きをしました。これが対照群です。第二のグループは毎日キレート化された500mgのビタミンCを3ヶ月摂取しました。歩行運動または高容量ビタミンC摂取のどちらのグループにも同様の利益がありました。また、両方のグループで心血管系の健康を測る鍵である血管緊張に向上が見られました)。

ACF228®も同じタイプのキレート化されたビタミンCとその他の重要なビタミンを使用しています。ACF228®は、運動による心血管系の利益を望むけれども頻繁に運動する事ができない人のために設計された優れた抗老化商品です。ACF228®は、おそらく自身の責任では無く、運動能力に限りがあり、体重増加や肥満になりやすいといった人でも老化による悩みを軽減する助けになります。図2は、激しい有酸素運動をする際にACF228®のような抗酸化剤を使用しなかった時に現れる顔、髪および頭部の急速な老化を示します。

 

満と体重減少のおはなし

 

数年前、私は海沿いのカフェをよく訪れました。平日の早朝、2匹のやんちゃなテリア犬を連れて早歩きをした後、カフェで日課のコーヒーを飲み、メモの整理をしました。私は、数週前にこのカフェで、何人かの学歴の高い面白い人々に出会いました。

 

ある朝、60代後半の男性が私の犬に非常に関心を持っているのに気づきました。スミス氏は、犬好きで、私の白くて可愛いテリアと会うのを楽しみにしていました。私たちは犬について話し、そして、話題は健康にたどり着きました。彼は、裕福で成功した人生を送っているけれども、現在、深刻な健康問題を抱えていると語りました。彼の住んでいるボストンで、ハーバードの医者が、もし減量しなければ余命は後数年しかないときっぱり言ったそうです。まさしく、彼のお腹はボウリングのボールを飲み込んだように膨れていました。その医者は、その解決策として毎日少なくとも2時間水泳をすることようにと彼に勧めたそうです。そうして、彼は毎日欠かさず2時間の水泳を過去3ヶ月行っているのに、体重は全く減らなかったのです。余命が少ないとわかりながらも、私にアドバイスを求めました。

 

翌朝、私の持っていたLiving-Fuel®の最後のボトルを彼に渡しました。Living-Fuel®は、キレート化されたビタミンCを含む93種の栄養素を含むもので、これを水に混ぜて毎日1食又は2食をこれに置き換えて摂取するようにお願いしました。1ヶ月後に、体重は22ポンド(10キロ)減りました。次に、ACF228®とMitoProTMを上記のようないくつかのバランスの取れたホルモンと一緒に摂取する療法に切り替えました。療法を切り替えた理由は、急激な体重減少のみでは、高齢者に対する正しい療法にならないと懸念したからです。ACF228®、MitoProTM、複数のホルモンとよりよい良い食事の組み合わせは、全般的な健康を維持しながら緩やかに減量する、より穏やかな解決法でした。

 

その結果、彼は、この補充療法と毎日2時間の水泳を組み合わせて、ゆっくりと、さらに12ポンド減量しました。彼は、また、肉とジャガイモ、そして動脈を硬化させるたっぷりのグレービーといったボストン料理から、豊富な鮮魚、汚染のない野菜と、炭水化物を減らした低炭水化物の島国ダイエットに切り替えました。(北アメリカの産業汚染のない健康的な島国ダイエットの別の例は、韓国の代表料理、ビビンバです。この素晴らしい韓国の主食は、もやしとコメを含んでおり、野菜が95%で、スパイシーで脂の少ない牛肉はわずか5%です)。

 

スミス氏は、不健康なボストン料理を恋しいと思いましたが、島国料理と特定の栄養素とホルモンの知恵が緩やかな体重減少と健康改善をもたらしたことを理解したのです。

 

栄養素とホルモンのバランスをとってゴミを燃やす

 

体重増加は老化の大きな問題です。この避けられない問題は、より良い食生活、運動、炭水化物を避けること、そして最も重要なことは、複数のホルモンと栄養素を摂ることによって逆行することができます。疑うなら、10代の若者の習慣を思い浮かべてください。彼らは、ジャンクフードを食べても、上昇したエネルギーホルモンがゴミを燃やして損傷した細胞を修復するために、若々しい体を保っています。

 

私たちも、適度なレベルのホルモンサプリを使えば、ゴミを燃やして損傷した細胞を修復することができます。常識を働かせて正しい食事をし、炭水化物を避け、この複数のホルモンと栄養素を摂ってください。そうすればあなた自身で判断できます。

 

関連製品