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さまざまなバクテリアに効果的
ルリッドというのは、マクロライド剤と呼ばれる薬群に属する、準合成抗生物質ロキシスロマイシンのブランド名です。ルリッドは、抗生物質として、バクテリア感染、概して軟組織や気道の感染治療に使われます。ただしルリッドには、他のすべての抗生物質が有効なウイルス性感染に対する効果はありません。
ルリッドが効果を発揮するタイプの感染症について詳しく見る前に、まず、ルリッドが何であるか、どのようにして働くかについて見ることにしましょう。
ルリッドとは?既に述べましたが、ルリッドは抗生物質です。 抗生物質というのは、バクテリアを抑制、あるいは殺す化学療法薬です。原核生物であるバクテリア細胞は、ヒト真核生物細胞とは異なります。単純胞である原核細胞は、核や、いかなる細胞器官に結びつく膜も持ち合わせていません。それに比べて原始核細胞から発展した真核細胞は、はるかに複雑で、私たちに馴染みの深い動植物など、あらゆる生物の大部分を構成する、命のごく小さな単位を形成しています。 抗生物質の作用と効果を語る上では、細胞が真核か原核かという事実が重要です。
抗生物質には多くの異なるクラスがあり、それぞれのクラスが明確にバクテリアに作用する、異なるタイプの抑制効果を持っています。ルリッド、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシンなどは、マクロライド剤として知られるグループに属していますが、これらはすべて、その構成、化学構造、作用のメカニズムにおいて、非常に似通っています。ルリッドの働き
マクロライド抗生物質であるルリッドには、細菌性細胞蛋白質の合成を抑制する作用があります。ルリッドおよび他のマクロライド剤がこれを達成する方法を専門用語で言うならば、「細菌リボソーム50Sサブユニットへの不可逆的結合」ということになります。マクロライド剤は、細胞のタンパク質工場であるリボゾームと結合することで、DNAからの指示に基づいてタンパク質が作り出されるプロセスを禁止します。 このように、タンパク質の合成が妨げられると、バクテリアは成長できません。
この作用は主に静菌性、つまり、細菌の成長と再生が抗生物質であるマクロライド剤によって抑制されると言うことですが、マクロライド剤の濃度が十分高くなることで初めて殺菌性を持ち、直接バクテリアを殺すことが可能になります。
マクロライド剤は白血球に蓄積する傾向があります。感染症や異物から私たちの身体を守る白血球は、免疫システムに欠かせないものですが、これに蓄積することによって、マクロライド剤は、あらゆる細菌感染の患部に直接輸送されます。
マクロライド抗生物質が、どのようにして他の細胞に影響を与えず、バクテリア細胞に限って働きかけることができるのか、不思議に思われることでしょう。これが正に、原核生物細胞であるか、もしくは真核生物細胞であるかの違いが、重要な役割を果たすところです。ヒト細胞にもリボソームが含まれていますが、これらは真核生物である、すなわち原核生物ではないため、マクロライド抗生物質の作用から影響を受けません。 真核細胞リボソームと原核細胞リボゾームでは、そのサイズと構造が異なります。ルリッドが使われる感染症とは?
特に気道、性器、胃腸管、および軟組織など、身体のあらゆる部分における、さまざまなバクテリアからの感染症治療に使われるルリッドには、エリスロマイシンに類似した抗菌スペクトルがあるため、喉の痛み、急性咽頭炎、急性気管支炎、扁桃腺、副鼻腔炎、肺炎、ある種の性感染症、歯肉炎などの歯茎の炎症、膿痂疹(バクテリア感染によって生じる肌の痒み)を含めた皮膚感染などによく効きます。
ルリッドがどのバクテリア感染症に効果を発揮するかは、初めにどういった種類のバクテリアに感染したかにかかっています。他のグループに属する抗生物質のように、マクロライド抗生物質も、ある決まったタイプのバクテリアに限って効果を発揮しやすいとされています。治療にルリッド が使われる感染症
- トラコーマ・クラミジア
男性および女性の目や泌尿生殖器の領域に見られる感染症。このバクテリアによって引き起こされた眼感染症は、トラコーマとして知られていますが、これは、結膜(眼球表面とまぶたの裏を覆う薄い膜)に粒々ができるという、非常に不快なものです。 トラコーマによって潰瘍が形成されたり、傷跡が残ったり、時によっては失明することもあります。妊娠中の女性が感染すると、胎児にうつしたり、産道を通して新生児が感染したりする可能性があります。クラミジア・トラコマティスは、泌尿生殖器疾患の中でも最も多く、米国、オーストラリア、イギリスといった国では、最も一般的な性感染症の1つとされています。 男性女性ともに、尿道(膀胱内の尿を体外に排出する管)における炎症の原因となることがありますが、これによって、尿道炎、直腸出血、直腸炎、および不妊症などが引き起こされる場合があります。 男性では前立腺炎および副睾丸(睾丸の後に位置し、熟した精子を保存する)炎が、女性では子宮頸管炎、骨盤炎症性疾患、および子宮外妊娠などが引き起こされることがあります。また、トラコーマ・クラミジアの母体への感染経緯によっては、生まれた子供が肺炎を発症する場合があります。 - リステリア・モノサイトゲネス
臨床上、20~30%が死に至るとされる、最も有毒な食物性病原体の1つであるリステリア症の原因となります。リステリア菌による病気は、米国だけでも1年あたり2,500ケース発生しており、そのうち500人が死亡していますが、これは同じ食物性病原体であるサルモネラ菌およびボツリヌス中毒よりも多いとされています。 - ヘリコバクター(カンピロバクタ)
胃内壁の慢性低レベル炎症を引き起こすもので、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃癌の発症と強い結びつきがあるとされています。 - ウレアプラズマ・ウレアリチカム‐男性および女性の生殖器に普通に存在する細菌叢ですが、不妊症、死産、早産、および非特異性尿道炎(NSU)を含む、多くの疾患と関連しています。
- ガードネレラ・バジナリス
女性生殖管の感染原因となるもので、細菌性膣炎とも呼ばれています。 - ヘモフィルス・ディクレー
性器の痛みにより特徴付けられる性感染症である、軟性下疳の原因となります。 - ストレプトコッカス・アガラクティエ
妊娠可能年齢の女性の最大1/3に存在するもので、非常に深刻で、死に至ることもあるB群連鎖球菌感染症が、出生時の産道を通して新生児に引き起こされる場合があります。現在のところ、感染率は1,000回の出産につき1ケースとされています。ストレプトコッカス・アガラクティエによる感染は、健康成人女性にはほとんど見られませんが、年輩の女性や、糖尿病患者やエイズ患者など、免疫力が落ちている女性は、敗血症をはじめとする深刻な感染症になりやすい他、稀に妊娠中の女性に影響することが知られています。 - 肺炎レンサ球菌(肺炎球菌)
グラム陽性菌は、その名前にも関わらず、肺炎は別として、多くの異なるタイプの肺炎球菌感染症を引き起こす積極的なバクテリアであり、成人および子供の細菌性髄膜炎の、最も一般的な原因となります。また、心内膜炎、蜂巣炎、腹膜炎、急性副鼻腔炎、中耳炎、および敗血症といった感染症を引き起こす可能性もあります。 - ナイセリア・メニンギティディス(髄膜炎菌)
従属栄養性グラム陰性双球菌。髄膜炎菌と聞けば、ほとんどの人がまず、髄膜炎菌性髄膜炎を思い起こすでしょうが、髄膜炎菌性敗血症のような、他の髄膜炎菌性疾患の原因にもなるものです。 - マイコプラズマ・ニューモニエ
肺炎の原因。 - 百日咳菌
かつては米国だけでも年間5千人から1万人の死者を出していましたが、予防接種の徹底により、今日では命を落とす人はまずありません。 - モラクセラ・カタラリス(ブランハメラ・カタラリス)
気道感染症の原因。 - レジオネラ・ニューモフィラ
レジオネラ症の原因。
ルリッドの長所
ペニシリン同様、マクロライド抗生物質は、β型溶血性連鎖球菌、肺炎球菌、ブドウ球菌、腸球菌に対して効果的です。しかしながら、ペニシリンよりもマクロライド剤が優れているのは、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、ある種のリケッチア、およびクラミジア感染症をはじめとする、広範囲のバクテリアに対して有効であるという点です。 また、マクロライド剤は、アジアで多く見られる突発性肺病である、びまん性汎細気管支炎(治療を受けないでいると致命傷になりかねない炎症性肺疾患)の長期治療にも有効です。突発性疾患は、既知の原因なしに、自然発症し得るものです。
またルリッドは、クリプトスポリジウム、カリニ肺炎(PCP)、トキソプラズマ・ゴンヂ、マイコバクテリウム・アビウム(MAC)といった、治療が難しいとされるバクテリアとの闘いにおいても非常に有効です。
また、ある種のグラム陰性菌、特にレジオネラ属ニューモフィラ菌の治療においては、エリスロマイシンよりも効果的で、薬理相互作用も少ないとされています。
抗生物質の中には、ホルモン避妊薬、プレドニゾロン、カルバマゼピン、ラニチジン、制酸剤などの間に相互作用が生じるものがありますが、ルリッドにはその心配がありません。
人によっては、アレルギー反応のためにペニシリンが服用できないことがありますが、幸いマクロライド剤は、ペニシリンやセファロスポリンよりも抗菌スペクトルが広く、アレルギー問題の少ないことから、より適切な代替手段となり得ます。服用量
1日につき300mg。朝晩1錠(150mgタブレット)ずつ、コップ1杯の水と一緒に飲むようにしましょう。ほとんどの抗生物質同様、感染症の治療や、抵抗力をつける目的では、最低でも5日間続けて服用しましょう。服用量や期間については、かかりつけの医師と相談してください。薬の吸収をよくするため、 食後少なくとも15分経ってから服用することが重要です。
副作用
一般にルリッドは耐容性に優れており、消化管での吸収もよく、これまで副作用の記録はほどんどありません。しかしながら、すべての薬同様、ルリッドにも副作用が生じる可能性があります。最も一般的な副作用としては、下痢、吐き気、腹痛、および嘔吐など、胃腸に関係するものです。稀なものとしては、頭痛、吹き出物、肝機能の異変、および味覚や臭覚の変化などが挙げられます。
もし何か心配な点があるようでしたら、医療専門家に相談してください。
警告
- 処方箋薬、市販薬に関わらず、服用しているものがあれば、ルリッドを服用し始める前に、かかりつけの医師の指示を仰ぐことが重要です。
- 既に血管収縮性エルゴットアルカロイドを服用している人は、ルリッドを服用しないでください。
- ルリッドとテオフィリンを併用すると、テオフィリンの血漿濃縮が増加することがあります。服用量を変える必要はありませんが、治療前のテオフィリンレベルが高い患者は、血漿濃度をモニタリングする必要があるでしょう。
- ワルファリンとの相互関係から、大量出血が引き起こされることもあります。
ルリッドと併用できない薬
- テルフェナジン、アステミゾール‐ ある種のマクロライド剤は、テルフェナジンやアステミゾールとの相互作用から、後に血清濃度が上昇することがあるため、深刻な心室性不整脈が引き起こされる可能性があります。実際には、このような反応は示されていませんが、テルフェナジンやアステミゾールをルリッドと併用することはお勧めできません。
- シサプリド、ピモジド‐ 肝臓のCYP3Aアイソザイムによって代謝されるシサプリドやピモジドなどは、ある種のマクロライド抗菌薬を含む、重要なアイソザイム抑制剤との相互作用によって血清レベルが増加することで、QT間隔延長あるいは心不整脈が引き起こされる可能性があります。そのようなリスクはまだ確認されていませんが、ルリッドをシサプリドやピモジドと併用することはお勧めできません。
ルリッドを服用できない人
- マクロライド抗生物質もしくはその成分にアレルギーのある人。
- 妊婦および授乳中の女性は、かかりつけの医師の指示がない限り、ルリッドを服用しないこと。
- 深刻な肝臓疾患を患っている人。
上記記載の内容は、製品に添付されている説明書を日本語訳したものであり、医師、専門家の指導に成り代わるものではありません。 製品のご使用は、必ず担当医の指導のもとでおこなってください。
- トラコーマ・クラミジア






